おかみさんが郡山にやって来た!

中心市街地活性化シンポジウム

一昨日、14日にハーモニーステーション郡山(2階イベントスペース)にて中心市街地活性化をテーマとするシンポジウムが開催された。

「斜陽のまち」と呼ばれた東京・浅草を見事に復興させ、その活動によって全国の“おかみさん“に勇気とやる気と元気を与えた浅草おかみさん会理事長の冨永照子さんと駅前大通り及び中央商店街で展開している『一店逸品運動』の中心市街地活性化アドバイザーである加藤博氏がゲストとして来郡された。

冨永さんのおかみさんパワー全開のセミナーであった。

おかみさん会の活動も、『一店逸品運動』についても初めて聞いたことが大半だったので面白く聞けた。

会場に来ていた知人からはあれだけでは中心市街地活性化には足らないと辛口の意見もあったが、地元商店街がさびれていく中で何もやらないよりは、『一店逸品運動』でも具体的に取り組んで共に商店街の方たちが連携して考え行動する契機となるなら、それは良いことと思う。

弊社もサイネージ研究委員会に所属しながら、同じテーマでのセミナーを昨年末に開催したが昨日のセミナーは「コア人材育成」であり、キーマンのリスクを背負う覚悟の話で、昨年末のセミナーは「情報技術を絡めた方法論」からの話という、コントラストをなしている。

実際は、技術だけに依存するような方法論だけでも駄目だし、気合一辺倒での人材育成だけでも駄目だろう。

中心市街地の衰退は日本全国の都市が抱える日本の地方固有の構造的な問題でもあり、駅インフラと並行して育っていった駅前中心市街地形成と、モータリゼーションの発展がもたらした郊外開発、大型大規模店舗の全国展開といった都市デザイン的観点や商業資本主義の発展や交通都市インフラの変遷などに由来する。

地方に住まう人たちの暮らし方、人がどう回遊するか?といったサーキュレーションなどの観点を含むソーシャルデザインまで視野を拡げて考えなければ解けない諸問題がそこにはある。

『デフレの正体』でも書かれていたような生産人口の減少と高齢化社会化というこれまでの日本、あるいは世界を見渡しても過去に類例のない社会の到来もあり、かつては優秀な官僚が日本全体のソーシャルデザインを描き得たのかも知れないが、今は官僚だけでは解ききれない大きなテーマであり多くの知恵を集める必要がある。

そういう意味では浅草において「おかみさん」の行動の結果として貴重な人脈形成がなされ、そこから生まれた知恵の集結もあって今の浅草再興があるのだろう。

新たなランドマークであり、見物名所化するスカイツリーに訪れる客をも浅草に引き入れようという"勢い"は実践されて来た方のみが招くことの出来る"勢い"であると思うし墨田区に、そのような勢いのある受け皿も無いようだ。

こういう勢い、流れを招けるか?というのは思考、ロジック、戦略の外にある。

天の時、地の利、人の和。とは、けだし名言であっておかみさんがなして来たのは「人の和」を作る所から始め、常磐線の駅を浅草に引き入れなかった過去の世代の失策によって失った「地の利」を郡山ゆかりのJRキーマンコンタクトから挽回していく話はとても面白く感じたし、そのように行動し、現実化させたのであるから愉快な話であるなあと思う。

これはまた過去の「地の利」は、今の「地の利」では無いという、駅前商店街の没落と郊外型大規模店舗の発展は地方在住者の足である交通インフラの主役が電車、バスから自家用車に変わった事に起因する問題でもある。

失った「地の利」を回復するには、気の遠くなる努力と投じたお金も必要である事を示唆しながら、スカイツリー建設といった「天の時」を浅草は掴もうとしているということが都内在住でない私にも読み取れ、そういう意味で面白い、おかみさんの基調講演であった。

さて、本題に戻るが、サイネージは個人的には上で言う「スカイツリー」に近い「天の時」を持ったツールだと思う。寿泉堂病院を中心とした再開発を終え稼働の始まった今年はスカイツリー建設と同じ意味で、駅前中心市街地にとって鍵となる1年となる。その時に、やって来たスマートフォン時代の始まり。またTwitter、facebookといったソーシャルメディアの流行も「天の時」。

ソーシャルな情報の入口と出口が、新しい情報インフラとして整いつつある。

浅草がつくばエクスプレス開通の機会を逃さなかったように、交通インフラと情報インフラというインフラの種類の違いがあるが、これは「天の時」。

寿泉堂病院を中心とした再開発の周辺にある商店街は「地の利」も得た。

昔は交通インフラに人が伴って動いていたが、今は情報インフラに伴って人が動く。だから情報インフラ変革の時は「天の時」だ。

さあ、後は「人の和」を集めて、動いているお客様を回遊させる事だ。
そこにも、おかみさんはヒントをくれた。

出来るだけ長時間、回遊、滞在させることだと。
長時間、居て、廻ってくれたら、休憩もする、食事もする。
そこにお金が落ちる。ついでに買い物もする。そこに『一店逸品運動』を始めた方々が、和を持って、おもてなしの心でお迎えし、お疲れのところを癒して差し上げられれば、そこに郡山駅前中心市街地活性化の突破口が見えてくるような気がした。

サイネージは、その時とても有効な情報の窓であり、ナビゲーターとなる。ここにも技術革新の天の時がある。

実は100インチの大型サイネージのアウトプットが20万円以下で可能になる時代になってきた。100インチの大型画面が何をもたらすか。

等身大のリアルな感覚だ。

箱の中のテレビを見ているのではない没入感溢れる原寸大の世界。

これはインパクトのある「サイネージでおもてなし」の時代の始まりを予感さするトピックで、企画開発室の今年の主力テーマでもある。乞うご期待!

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コメント: 1
  • #1

    Arron (日曜日, 22 7月 2012 11:35)

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